タイトルを見たら、誰もがドキッとするのではないでしょうか?
夢の叶え方じゃなくて、夢がかなわない理由を描いた絵本。
イラストもステキで、本のサイズ、形にも惹かれましたが、
もし「夢の叶え方」というタイトルだったら店頭で表紙を見ただけで、手に取るまではしなかったかもしれません。
だって、大人向けも夢の叶え方系の本は巷に溢れています。
あらゆるノウハウ系の本を始めとする情報は結局どうしたら(すぐ)叶う?という人間の欲望、希望、願望の塊です。
それだけ人は夢の叶え方を知りたいのでしょう。
夢、夢までいかなくても小さいものを含めて、人の願いをかなえたいという気持ちは普遍的で、とても強いものです。
小学校に入り新しい環境の中ですぐ弱気になる子どもと一緒に読みましたが、
私のほうがすっかり惹き込まれました。
子どもと読む前に、大人が一人で読んで世界に浸るのがオススメです。
この本には、3人の夢を叶えたい子どもが出てきて、色々な努力をした結果、みんな違う結果になりました。
才能が足りない、運やタイミングに恵まれない、夢がかなわない理由は様々です。
大人なら、自分の経験や周りを見ていてそのことを知っています。
一方の子どもは、夢が叶って良かったね。とハッピーエンドのパターンに慣れています。
私も親として、読み聞かせる、一緒に読むならその方が気楽ですが、
そうなっていないところがこの絵本の魅力でもあり、折に触れて何度も読み返したくなる絵本にしているのだと感じます。
絵本に出てくる悪魔の種類が多くて、夢を叶えることの難しさ、叶ったときにも悪魔がいて常に気を付けていないと、心の隙間に簡単に悪魔が来てしまう。
そりゃ、夢を叶えるって難しいわ!とある意味納得です。
49ページに悪魔の種類、特徴、倒し方のカードイラストがあってとても魅力的です。
絵を描いたのは、中川学さん。
お寺の住職さん&イラストレーターという二足のわらじを履いている方です。
元々、漫画家になりたかったそうですが、向いてないと判断し、夢を断念したそうです。
その後、紆余曲折を経てイラストレーターになっているので、これも夢のかなえ方の一つですね。
参照元:僧侶とイラストレーターに生きる|浄土宗総本山 知恩院 (chion-in.or.jp)
タイトル:夢はどうしてかなわないの?
著者:大野 正人さん
監修:出口 保行さん
イラスト:中川 学さん
出版社 : 汐文社 (2015/9/1)
発売日 : 2015/9/1
反抗期になって親からの言葉が心に響かなくなっても、この本を読んで感じることは多くあると思う。
家に一冊置いておくと良いかも。