【読んだ本の記録】自然を再生させたイエローストーンのオオカミたち

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リワイルディングという言葉を聞いたことがありますか?

日本語では再自然化といいます。

今回読んだ絵本の表紙には、美しいオオカミの絵が描かれていて、どんな本なんだろう?と自然と手が伸びました。

物語の主役は、世界でも有名なイエローストーン国立公園に放たれたオオカミです。

イエローストーンの場所はこちらです。


1930年代、人間による乱獲でイエローストーンからオオカミが消えました。

オオカミが消え、食物連鎖が崩れ荒れた地になってしまったイエローストーンに、ロッキー山脈から連れてこられた14匹のオオカミが、かつての食物連鎖の流れを取り戻す過程が描かれています。

虫一種類でも絶滅すると生態系に影響が及びますが、狼を放つことで生態系が復活していく様子がよく分かる内容でした。

1995年にオオカミが再投入されてから20年以上が経ちますが、現在のイエローストーンはこれまでにないほど自然がきちんと保たれています。

イエローストーンは数多くの動物がいる素晴らしい土地ですが、昔からずっとそうだったというわけではなく、再生されたものであることをこの絵本を通じて知ることができました。
再生に希望や可能性を感じる本です。

今でもオオカミをイエローストーンに放った状態に反対する人がおり、イエローストーン国立公園を出てしまったオオカミは法律では保護されないので、今でも殺されてしまうことがあるとのことです。

オオカミはここのを出ると殺されてしまうと判断できないので、何とも複雑な気持ちです。

私はリワイルディングにより生態系が復活したことへの貢献は大きく、昨今のエコツーリズムの盛り上がりによる観光収入の拡大は、家畜を襲うデメリットよりもメリットが上回ると感じました。

こんなに貢献しているのにという考えは、自分の近くにオオカミがいないからなのでしょうか。

赤ずきんちゃんや三匹の子ブタなどの童話の影響で、オオカミ=怖い、オオカミ=悪者という考えが子どもたちの中にも、私の中にもあります。

小動物をテーマとしたドキュメンタリーで、捕食されているシーンを見ると子どもたちは捕食動物(例えばライオンやトラ、オオカミなど)を悪いことをしていると非難します。

食物連鎖の重要性を理解している私も、食べられている個体の映像を見ると自然の摂理だと知識としては理解しているものの、それがはぐれてしまった草食動物の赤ちゃんだったりすると特にかわいそうだと感じてしまいます。

そんな私が子どもたちにいくら捕食動物も生きていかないといけないと説明しても、なかなか伝わりません。

怖いから滅ぼしてしまってよいのか?

怖いから排除、駆除してしまってよいのか?

そもそも、(人間にとって)本当に怖いものなのか?

オオカミは人を襲わないという説もあります。実際のところはどうなのか。

今回の絵本を通じて捕食動物の重要性にを知るきっかけにはなったと思うので、一緒に読んでよかったです。


多様性を動物から44ページ、45ページの生態系の仕組みを理解しようのページが子どもたちにはわかりやすかったようです。
また、イエローストーン以外、世界の5カ所ほどのリワイルディングの例が紹介されていました。

私はイエローストーンは訪れたことがありませんが、ドキュメンタリーでイエローストーンの動物の生き様を見ることはあります。
子どもだけでなく、大人にも十分楽しめる内容です。

世の中には知らないことが本当にたくさんあるなとつくづく思います。

タイトル:自然を再生させたイエローストーンのオオカミたち
著者:キャサリン・バーさん
監修: 幸島 司郎さん 植田 彩容子さん
イラスト: ジェニ・デズモンドさん
翻訳:永峯 涼さん
出版社 ‏ : ‎ 化学同人
発売日 ‏ : ‎ 2021/10/20

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家電大好きなスマートマスターです。 夫は海外勤務で年に1度だけ会えます。 会社員+ワンオペ育児の毎日を家電と協力してすごしています。
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