先月(日本時間:2022/1/15)、ツバルの火山島で噴火があり、 日本にも津波が到達しました。
私が住む地域では夜中に10回以上も津波予報がスマホに来て、(子どもはぐっすり寝ていましたが)
避難するべきなのか、大丈夫なのか、判断に迷いながらも家で眠れない夜を過ごしました。
津波警報の不安な夜が記憶に新しい私が今回手に取った本は、黄色の表紙がとても目立ち、一冊丸々、津波に焦点をあてた防災本です。
ツバルの火山噴火前にこの本を読んで予備知識をつけていれば、もう少し冷静に対応することができたかもしれません。
この本は津波から生き残ることを目的とした本で、3部構成になっています。
第1部 津波からいのちを守るために
第2部 みらいとまもるとやってみよう 防災に大切な8つのミッション
第3部 体験しよう! 避難シミュレーションゲーム
本の中で紹介されている、津波避難に大切な三つの Sを守ろうとすることで、結果的に命を守る行動がとれるようになります。
SWITCH:津波から逃げれるスイッチをちゃんと入れること
SAFE:スイッチを入れたら安全な場所に安全なルートで逃げること
SAVE:安全な場所に逃げた後も最後まで命を守り抜くこと
実際に津波避難が必要になった時には、あれをしなきゃこれをしなきゃとパニックになることが想定されますが、命を守るために今しなくてはいけないことに優先順位をつけて一つ一つクリアするのが生き残る現実的な方法なのだということが分かります。
ちなみに、この3つのSですが、ただ3つSをそろえればよいというわけではありません。
最初のSをクリアしないと次のSには進めません。
どのSがかけてしまっても命を守れません。
三つの S をそろえることで津波から命を守ることができます。
今回私は、ツバルの火山島噴火をきっかけにこちらの本を手に取りましたが、
22個のルールの中のルール8がまさにツバル噴火に関連するものでした。
ルール8:地震以外でも津波が起こる
津波は地震の後にだけ起こるのではなく、火山活動や山崩れ海底での地すべりによっても起こることがある。
津波=地震の後だけこういう思い込みは危険だ。
子どもとルール8を一緒に読みながら、ツバルの火山島の動画を見て、子どもは「本当だね~!」と興奮していました。
登場人物の中に花太郎という名前のインコが出てくるのですが、その子が話す覚えやすい防災訓が子どもに好評でした。
「家族と電話、避難後に」などなど、何種類かありましたので、これから読む方は、ぜひページの下の方をチェックしてみてください。
津波に関する情報盛りだくさんの本書ですが、学校、園のための安全チェックリストが載っているので、学校関係者にも読んでいただきたいです。
東日本大震災の津波に関する教訓のページは、発生から10年以上経っている現在読んでも心が痛み、涙がでます。
子どもたちが津波の被害に遭ったらと思うと・・・被害に遭ったお子さんのご両親、関係者の方のことを想うと本当にいたたまれないです。
守れる命を守れなかった時の後悔は想像を絶するものでしょう。
私はそれを経験したくないです。
私たちが同じことを経験しないように、人間は教訓というものを引き継ぐことができます。
東日本大震災の教訓:
引き渡さない訓練が必要。
学校や園は地震の後子供を引き渡さず、まずは避難など安全確保に全力を尽くすこと非難した後も帰ると危険な子供を絶対に引き渡さないこと
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この本の著者である長野海さんは、津波避難を体験するゲーム「津波避難すごろく」(めざせ!津波避難マスター)も開発しています。
ゲームの推奨年齢は小学校3・4年生以上~大人までとのことで、我が家ではまだ難しそうですが、時間があるときに大人(私)がやってみたいと思います。
話し合いをしたり、チームでしたほうがより楽しめそうですが、一人でもできるようです。
津波避難マスターにチャレンジ ダウンロード
津波避難すごろく | 弁護士永野海 法律と防災のページ (naganokai.com)
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巻末資料として、日本各地の 災害の紹介がありました。
北は岩手県から、南は 沖縄まで、全部で21の痕跡が紹介されています。
日本の中でどこが安全という場所はないのだなあと改めて感じました。
後も引き続き災害については子どもと学んでいきたいです。
タイトル:みんなの津波避難22のルール 3つのSで生き残れ!
著者:永野 海さん
出版社 : 合同出版
発売日 : 2021/4/8
単行本 : 111ページ
ISBN-10 : 4772614559
ISBN-13 : 978-4772614559
作者の長野海さんは弁護士であり防災士でもある方。
弁護士の人が書いた防災の本というのは珍しいと思います。多面的な人は魅力的ですね。