子どもの権利条約ー1989年に国連で採択された条約です。
日本は1994年に批准しました。
1994年は私が子どもだった時ですが、私が子どもの権利条約について知ったのは大学生の時、年齢的には子どもから大人として扱われ始める時期でした。
時は経ち、自分自身が子育てをするようになり、当時は重く見ていなかった子どもの権利を、大人が理解しておくのはもちろんのこと、子ども自身が知っているということがとても大切なのでは?と思うようになりました。
今回読んだ本は、ビジュアル版 子どもの権利宣言という本です。
ビジュアル版というタイトル通り、30人の現代アーティストがの絵が美しく、現代アートが好きな方にもおすすめの本です。
解説は10歳以上の子ども向けに分かりやすく書き直されています。
我が家の子どもには年齢的にまだ該当しないので、イラストを一緒に楽しみ、もっともっと簡易的に、分かりやすい言葉で話しかけています。
この本の中では子どもの権利条約54条のうち、第1条から第42条までがビジュアル部分として解説されていますが、まだ幼い私の子どもには、第6条、生きる権利と成長する権利を繰り返し伝えています。
18ページよりー
1.全ての子どもが、生きる権利と殺されない権利を持っています。
2.国は子どもが死なずに生きていて、きちんとそだっているかどうかを見張らなければなりません。
子どもが成長するために、できるかぎりのことをする義務があります。
教育虐待には、第31条 自由な時間をもつ権利を。
78ページよりー
1.子どもには、休んだり、自由な時間をもったり、遊んだり、楽しむための活動をする権利があります。
また、年齢にふさわしい芸術活動や文化活動に参加する権利も持っています。
2.国は、子どもが自由な時間をもつ権利を守り、積極的にこの権利を後押ししないければなりません。
2022年の現状:
日本は子どもの権利を十分に守っていない。
子どもの権利を知らない親も子どもの権利を十分に守っていない。
子どもの権利を知らない社会も子どもの権利を十分に守っていない。
子どもの権利を知らない子どもも自分を大切にできていない。
子どもの権利を知らない子どもが、(生きる権利、殺されない権利がある)ほかの子どもを傷つける。
子どもの権利を知らないまま、十分尊重されないで育った大人の自己肯定感が低い。
この現状を改善するのに、子どもの権利条約の内容を学ぶことが有効なのでは?と考えました。自分自身も含め子どもの権利を十分に意識して子どもの成長を見守れば、その結果大人になった子どもたちがより良い社会を築くのではないでしょうか。
この成果が社会を変えるのに20年30年かかるでしょうが、その頃には団塊の世代を含む上の世代もいなくなっているため、古い価値観の人間は相対的に少なくなっているでしょう。
(その時に古い価値観になっていると思われる私たちの世代は常にアップデートする努力が必要です。)
権利ばかり主張するロクな大人にならないという意見があるかもしれませんが、
私は、権利が守られた状態で育った人間が、義務を遂行することができる人間、次代をよりよくしようとする未来志向の人間になれると考えています。
今大人になって生きづらさを感じている人や視野が狭くなりがちな人も、子どもの権利を知ることで古い価値観から少し脱皮できるのではないでしょうか。
アートを楽しみながら子どもの権利について知ることができるこちらの本、一人でも手にする人が増えればいいなと思っています。
子どもの権利条約 | ユニセフについて | 日本ユニセフ協会 (unicef.or.jp)